京都市営地下鉄　コトチカ

偶然手にした一輪のバラが
　生き方を変えることもある

　自分のために花を選んだり、小さなブーケに感謝の気持ちを託したり。そんな心のゆとりに寄り添ってくれる［青山フラワーマーケット］。地下鉄四条駅の改札を抜けてすぐのコトチカ四条店で、モードをオンからオフへと切り替える人も多いはず。時間を問わず人通りが多い繁盛店、コトチカ四条店を取り仕切る店長の下神納木さんが、花の仕事に就いたきっかけは少し特殊だった。
「学校を卒業して、歩んでいたのはパティシエの道だったんです。ある日 青山フラワーマーケット ディアモール大阪店で買った一輪のバラが人生の転機になりました。その日は滋賀の生産者「ローズファームケイジ」さんのフェアをやっていて。たまたま立ち止まった私に、丁寧に説明してくれたスタッフに魅了されたと言いますか。「こんな素敵な接客をする人がいるんだ。この人と一緒に働いてみたいな」と思っているうち、気がつくとバラを一輪買っていました。それを持ち帰る袋にアルバイト募集のチラシが入っていて。思い切って応募したのがきっかけです。」
　フラワーショップでの経験も知識もゼロからのスタート。ブーケ制作の難しさに悩んでも花の仕事の楽しさが勝り、やめたいと思ったことは一度もないそう。「今年４月に店長になったばかりですが、自分が採用した子たちの成長をそばで見られることにやりがいを感じます。社員を目指す子がいたら、できる限りサポートしてあげたいです。」
　週に３度、月・水・金曜に新しい花材が入荷されるコトチカ四条店。グラスブーケ４９５円、キッチンブーケ６６０円など、小さなコップさえあれば気軽に花を生けられるライフスタイルブーケが根強い人気。また週替わりで季節の花を紹介するマルシェコーナーのファンも多く、初秋が近づけばバラやダリアなどが並ぶ予定。気になるフォルムの花を見つけたら「人が好き、お話するのも大好き」という下神納木さんに話しかけてみよう。